EAST SIDE STORY
TOP > アルバムディスコグラフィー > EAST SIDE STORY


EAST SIDE STORY イースト・サイド・ストーリー

【 オリジナル盤リリース 】:1981年5月 
【 プロデュース 】:Roger Bechirian & Elvis Costello,Dave Edmunds
【 メンバー 】:Glenn Tilbrook、Chris Difford、John Bentley、Paul Carrack、Gilson Lavis
【 収録曲 】
In Quintessence
Someone Else's Heart
Tempted
Piccadilly
There's No Tomorrow
Heaven
Woman's World
Is That Love
F-Hole
Labelled With Love
Someone Else's Bell
Mumbo Jumbo
Vanity Fair
Messed Around

Trust *
Yap.Yap.Yap *
The Axe Has Now Fallen *
Looking For A Love * (* 2007年発売日本盤紙ジャケリマスターのボーナストラック)

【 レビュー 】
プロデュースにエルビス・コステロを迎え、また、キーボートではデビュー以来歩みを共にしてきたジュールス・ホランドが脱退し、替わりにACEやROXY MUSICで活躍していたポール・キャラックを迎えた。
前作ARGYBARGYで提示した伝統的なブリティッシュポップスバンドとしての個性はそのままに、前作で開花したソウルセンスをより強めた一方、楽曲のバラエティー性を広げた五目味アルバムで初期の傑作。
Labelled With Loveが全英4位を獲得したほか、彼らの代表曲のひとつ、かつ永遠の名曲Temptedも収録されている。
本国イギリスではTempted、Is That Love、Labelled With Loveがシングルカットされている。

【 スクイーズ自身によるコメント 】
「エルビス・コステロが大きな手助けをしてくれた。スタジオライブのようにレコーディングしようというのは彼のアイディアによるところが大きく、そのことを彼に感謝しているよ」 (グレン:1995年頃のインタビュー)

「プロデューサーでエルビス・コステロが目の前に座っているっていうのは大きかった。もちろん僕は昔から作詞には真剣に取り組んできたけど、ああいう偉大なリリシストが目の前に座っているもんだから、より一層励みになったよ。緊張もしたし」 (クリス:THE DIG 97年5月号)




イギリス盤 1981 AMLH64854

・プレス時期による違いと思われるが、ジャケの質感には通常のものとニス塗りの2種類が確認されている
・通常ジャケのインナーはMADE IN ENGLANDのPATENT NO入り、ニス塗りジャケはプレーンインナーとなっている
・なお、盤についてはレーベルの色が若干違っているがマトリクスはどちらも「1」のため、この数字からリリース時期を判断することができない。ただ、ランオフに記されてあるA Porky Prime Cutの文字から判断して、ニス塗りジャケよりも通常ジャケのほうがリリースが早いのではないかと推測される
・A Porky Prime Cutについての詳細はコチラのページを参照



オランダ盤 1981 AMLH64854

・ジャケット、カタログナンバー、その他ともにイギリス盤とほとんど同じ
・シングル盤にもいえることだが、オランダ盤のレコードレーベルの「A&M」の色が他国盤と少し違う。他国盤はやや黄色がかっているのに対し、オランダ盤は茶色に近い



ポルトガル盤 1981 2PSP-4854

・あまり見かけないポルトガル盤アルバム
・一次解散までのスクイーズのポルトガル盤レコードは、シングル・LPともに国内のVALENTIM DE CARVALHO CI SARLという会社からリリースされているが、ジャケットは印刷技術が低く、他国盤と比較して質が悪い。また、音質も良くない
・ジャケは特に背表紙がもろく、割れやすくなっており、できればあまり触りたくないレコードのうちの1枚である
・ジャケの大きさが他国盤と比べてやや大きめなのも、ポルトガル盤の特徴といえる
・私が所持しているものには、ポルトガル語でアルバムとバンドの解説のようなものが書かれたシートが付属していた。これがプロモ用シートかどうかは不明(ジャケや盤にはプロモ表記はなし) ⇒ シートを拡大してみる
・盤の溝にはA面B面それぞれに、「SQEEZE」、「SQYEZE」とカッティングされている。どちらのスペルも間違っているところがどうしようもないなと思う(笑)



ユーゴスラビア盤 1981 2221209

・こちらも非常に珍しい旧ユーゴスラビアでのプレス盤。当時のユーゴの有力企業「ベオグラード・ラジオ・テレビ」の音楽部門である「PGP-RTB」(Produkcija Gramofonskih Ploca Radio-Televizije Beograd)から発売されている。ジャケットとレーベルに「RTB」のロゴあり
・「PGP-RTB」はユーゴスラビア国外の作品を国内で販売する権利を持っており、ポリス、ジミ・ヘンドリックス、ボン・ジョヴィなど数多くの国外アーティストのアルバムが「PGP-RTB」からリリースされている
・ジャケットは印刷技術が低いせいか全体的に写りが悪い
・また、レコード盤はインナースリーブではなくペラペラのナイロン状の半円内袋に入っているのが印象的



ギリシャ盤 1981 AMLH64854

・こちらもあまり見かけないギリシャ盤。ジャケはオランダ盤と同じものを使用しており、「Printed in Holland」とはっきり記されてある
・レーベルに使用している紙が薄いためか、全体的に下のヴィニール盤が透けている。随所に使用されているギリシャ文字が印象的である



オーストラリア盤 1981 L37568(SP4854)

・オーストラリア盤は1stの「SQUEEZE」から「SINGLES 45's and under」までのアルバム及びシングルは「UK SQUEEZE」とクレジットされている。これは当時同国で活動していた同名バンドと区別するためである (「COSI FAN TUTTI FRUTTI」以降は「SQUEEZE」となる)
・写真では分かりにくいが、オーストラリア盤のジャケットはレコード取り出し口側の白いフレームが印刷されておらず、ややバランスが悪い



イスラエル盤 1981 AMLH64854

・イスラエルCBSより発売。カタログナンバーはイギリス盤と同じで、ジャケット表の左上に小さく記されている
・レーベル面に「ACUM」の表記あり。これは日本で言う「JASRAC」と同じ存在でイスラエル国内の出版物の権利を管理している
・ジャケット裏、レーベル面にそれぞれヘブライ語も併記されている
・イスラエル盤のジャケットは他国盤のものと比較して若干サイズが小さめである



南アフリカ盤 1981 AMLS64854

・あまり見かけない南アフリカ盤レコード
・ジャケはビニールコーティング仕様。イギリス盤のニス塗り仕上げとはひと味違った感じでツヤがあり、綺麗な仕上がりとなっている
・ジャケ裏には「17 7 81」という数字が刻まれているが、数字から考えて南アフリカ国内でのリリース日ではないかと推測する(81年7月17日)
・レコードレーベル面のグレンの表記がGlen Tilbrookと間違っている (正しくはGlenn Tilbrook)



ベネズエラ盤 1981 A&M7052

・非常に珍しいベネズエラ盤。ベネズエラCBS/COLUMBIAよりリリースされている
・ベネズエラ盤の特徴として、各国盤には印刷されてあるジャケ表面右上のA&Mのロゴが印刷されていない。また、ジャケ全体が透明なビニールで覆われている。これは南米リリースのLP盤にはよくある特徴のひとつである。その代わりではないだろうが、ジャケット裏右下には他国盤と比べてひときわ大きなA&Mロゴが印刷されている
・ジャケット裏面とレーベル面には曲がスペイン語で併記、追記されている。また、レーベル面のアルバムタイトルは「LA HISTORIA DEL LADO ESTE」となっている
・ジャケ全体の色合いは全体的に薄い。背表紙もタイトルやバンド名が印刷されているにもかかわらず潰れており、棚に入れた際にはほとんどみえないなど、作りが雑になっている



イギリスアセテート盤 no catalog no.

・レコードプレス前に、ごくわずかな枚数のみ作成する関係者向け参照用ディスク。現存するものは極めて少ない
・アセテート盤に録音された音を聴いて音のバランス等をチェックし、必要に応じて再調整された後、プレスの元となるマスターディスクが作成される
・レーベルはバンド名と再生タイム等が手書きされてあるだけのシンプルなものであるが、アルバムタイトルは未定なためか書かれていない
・見かけは通常のレコード盤と同じであるが、似て非なるものであり、質感やにおいがヴィニール盤のそれとは違う。一般的にアセテート盤は耐久性が低く、再生可能回数が著しく少ないとされている
・アセテート盤には後にプレスされる製品盤とは違うテイクの曲が収められていることもあるが、本アセテート盤の収録曲は製品盤と同じテイクである



イギリステストプレス盤 1981 AMLH64854

・簡素なインナースリーブに入れてあるだけのテストプレス盤。上記アセテート盤から作成したスタンパー(金型)を元にプレスされたもので、通常の製品盤と同じく塩化ヴィニール製である
・レーベルは印字のされていないホワイトレーベルで、バンド名、タイトル等が手書きされている
・マトリクスはA面、B面ともに1で、A Porky Prime Cut盤である。A Porky Prime Cutについての詳細はコチラ



イギリスプロモ盤 1981 SAMP9
sideA : PICCADILLY / MUMBO JUMBO
sideB : IS THAT LOVE / LABELLED WITH LOVE

・「EAST SIDE STORY」からの4曲が収められたプロモ盤
・無地のプレーンジャケットに「RADIO SAMPLER」などと書かれたステッカーのみが貼られていた



アメリカ盤プロモピクチャーディスク 1981 AMC 1A

・おそらくショップ等でのアルバムのプロモーションとして使用したと思われるレコード盤。クリスの顔が…
・アメリカの「HAN-O-DISC」という会社が作成したもののようだ
・一応、音溝が掘られてあるが、センターホールが塞がれているのでプレーヤーで再生することができず、何が録音されているか、または何も録音されていないか分からない
・しかし、何ともヘンなデザインのアイテムである。調べたところ、当時のアメリカのプロモポスターもこれと同じ写真を使用していたので、この捻じ曲がった写真はプレスミスというわけではなさそう…



米モービル・フィディリティ盤CD 1998 USCD 739

・米Mobile Fidelity Sound Lab社から、1998年に発売されたゴールドCD
・専用ケースに入っており、ケースを開けると自然にCDが浮き上がってくる仕様になっている
・ディスクはアメリカ製で、日本での輸入販売は潟キムが行っている。帯を兼ねている日本語解説書はこちら@こちらA
・Mobile Fidelity Sound Labの詳しいレビューはこちらのコラム



アメリカ製8トラック・カートリッジテープ 1981 8T 4854

・珍しい8トラック・カートリッジテープアルバム
・テープの構造上の性質のためか、収録曲順がオリジナルLPとバラバラになっている…

【 8トラについて 】
8トラック・カートリッジテープ(8トラ)は、2トラックのステレオチャンネルが4つあり、合計8トラックの信号が録音されていたため、このような名称がつけられました。
メディアとしては1965年に誕生し、主な用途はカーオーディオだったそうです。そのため、車社会のアメリカで広く普及したと思われます。
当初は「カーオーディオは8トラ」、「コンパクトカセット(いわゆるカセットテープ)は会議での録音用等」などと住み分けができていたものの、コンパクトカセットの品質改善が進み、耐久性や音質が向上したことから、カーオーディオソフトとしての地位も譲り渡すことになりました。
8トラの特徴としては、「巻き戻しが不要」、「リピート再生が可能」といったことが挙げられますが、これらは当然現在では8トラならではの長所になり得ず、CD等の普及により、その役目を終えることになりました。
何を隠そう、私自身、この8トラを手にしたのは初めてで詳しいことはよく分からないのですが、スクイーズ作品の歴史の一部として尊重したいと思います。




サウジアラビア版 1981? 747 6763

*【ご注意】この作品はジャケットや収録内容等がアーティスト及びレコード会社の許諾を得ずに作成されたものである可能性があります。ご覧いただく際はその点にご留意ください

・これまた珍品といってもいいサウジアラビアのカセットアルバム。ライセンス版ではなく海賊版である
・ジャケット表面には正規のアルバムのメンバーの写真を切り貼りしており、窮屈な感じがする
・そして、「SQUEEZE」の中央の「E」の文字が上に突き出ているが、正規版のものとは突き出し方向が逆になっており何の意味もなしていない…
・収録曲は正規版と同じであるが、なぜか「IS THAT LOVE」のみが順序が入れ替わっている
・さらに、「Heaven」が「Even」、「Vanity Fair」が「Fair」、「Messed Around」は「Around」と誤記されており、お粗末な印象でもある
・なお、カセットケースとカセット本体には「JAPAN」と書かれてあるので、モノ自体は日本製だと思われる
・その他、サウジアラビア製カセットアルバムについての解説はコチラ



サウジアラビア版2 1981? GMR2166

*【ご注意】この作品はジャケットや収録内容等がアーティスト及びレコード会社の許諾を得ずに作成されたものである可能性があります。ご覧いただく際はその点にご留意ください

・上記のものとは別のサウジアラビア版カセット。こちらもライセンス版ではなく海賊版である
・収録曲、曲順は正規版と同じ
・カセット本体は日本製であるらしく、「JAPAN」と書かれてある。サウジ海賊版テープにはよくあることである
・その他、サウジアラビア製カセットアルバムについての解説はコチラ



インドネシア版 1981? A-090

*【ご注意】この作品はジャケットや収録内容等がアーティスト及びレコード会社の許諾を得ずに作成されたものである可能性があります。ご覧いただく際はその点にご留意ください

・こちらも怪しさ満点のインドネシア製カセットアルバム。同じくライセンス版ではなく海賊版である
・「MASTERPIECE」というレーベル(?)から出されている
・ジャケットにはアルバムの写真が印刷されている…のではなく「実際の写真」が切って貼られており、妙な手作り感がある。そして、この写真ではご丁寧に「A&M」のロゴが消されており(ジャケ右上)、代わりにヘンテコリンな「MASTERPIECE」のロゴが右下に付けられている
・そして、その写真の下には呪文のように「Album Series」という言葉が6回も書かれてある…
・ジャケットの内側にはメンバーの名前や曲目が書かれてあるが、こちらも誤記が多くサウジ版と同じく非常にお粗末なものである
・インドネシアの海賊版にはよくあることだが、テープの余った部分にはアルバム以外の曲がおまけで収められていることが多い。このカセットには「JOE KING CARRASCO & THE CROWNS」というアーティストの曲が4曲ほど入っている
 ⇒ ジャケットを拡大する
・カセット本体はおそらく市販のものを使用している。タイトルやバンド名などは一切書かれていない
・インドネシア製品特有の「Tax Stamp」が付いている。その他、インドネシア製カセットアルバムについての解説はコチラ




◆ミニコラム ちょっと得する(?)カセットアルバムのジャケット

このアルバムのイギリス版カセットのジャケットは、よく見慣れたLPやCDのジャケットの写真とはタイトルとバンド名のレイアウトが異なっており、印象が違ってみえます。

カセット版では、なぜかアルバムタイトルとSQUEEZEの文字が写真の外に配置されているため、写真が丸見えです。少しトクした気分?
よく見ると、ジョン・ベントレーはジャケットのポケットに手を突っ込んでいるんですね。それがよく分かります。

しかし、何よりもこの5人の並び方のバランスの悪さといったらありません…。何でこう、だんだんと斜めになっていくのでしょうか?(笑)
改めてLPのジャケットを見直してみると、このアンバランスな5人を「EAST SIDE STORY」と「SQUEEZE」の文字が束ねているようにも見えます。


左:LPジャケット 右:カセットジャケット(部分)


inserted by FC2 system