PLAY
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PLAY プレイ

【 オリジナル盤リリース 】:1991年7月 
【 プロデュース 】:Tony Berg
【 メンバー 】:Glenn Tilbrook、Chris Difford、Keith Wilkinson、Gilson Lavis、Tony Berg、Matt Irving、Steve Nieve
【 収録曲 】
Satisfied
Crying in My Sleep
Letting Go
The Day I Get Home
The Truth
House of Love
Cupid's Toy
Gone to the Dogs
Walk a Straight Line
Sunday Street
Wicked and Cruel
There Is a Voice

【 レビュー 】
前作FRANKとは打って変わって、凝った作りで比較的カチッとしたサウンドが印象的なアルバム。
オリジナルメンバーはグレン、クリス、キース、ギルソンの4人となり、キーボードにはエルビス・コステロ&ジ・アトラクションズのスティーヴ・ナイーヴやマット・アーヴィングがゲスト参加している。
モノクロのジャケデザインも手伝って一見地味な印象もあるが、各々の楽曲の完成度は高く、タイトル通り「プレイ=芝居」のような趣がある。
特筆すべきはクリスの歌詞。それまでのA&M時代の曲と比べると、かなり大人っぽく品のある情景が目に浮かぶ内容となっている。
本国イギリスからはSunday StreetとSatisfiedがシングルカットされている。

【 スクイーズ自身によるコメント 】
「このアルバムは『イースト・サイド・ストーリー』以来、レコーディングに先立って曲を十分に吟味して検討した作品だったんだ。何度も見直してね。だから、レコーディング自体はすんなり終わったんだ。でもオーヴァーダブの段階に至ってまた実験趣味がぶり返して時間をかけることになったんだ(笑)」 (グレン:THE DIG 97年5月号)

「詞の面でもこのアルバムは粒ぞろいでパワーがあるけど、”ザ・トゥルース”も自分のお気に入りだよ。”レッティング・ゴー”もね」 (クリス:THE DIG 97年5月号)




イギリス盤 1991 7599-26644-1

・古巣A&Mからワーナー移籍後のアルバム
・本作のジャケットデザインは「STYLOROUGE」ではない(前作「FRANK」と次作「SOME FANTASTIC PLACE」は「STYLOROUGE」)
・インナースリーブには本アルバムの曲をモチーフにした演劇仕立ての物語が書かれており、”ステージマネージャー”のアナウンスによると”Tilford Difbrook”なる人物によって書かれているという
・”この街の名前はあなたの街の名前です。第一章はあなたの街の一日から始まります。時刻はちょうど夜明け前。ニワトリやクジャクが鳴き始めました…”という書き出しで始まる物語「PLAY」をいつかじっくり味わってみたいと思う…
・セカンドアルバム「COOL FOR CATS」ではポップアートよろしく、これでもかといわんばかりの複数のカラージャケットを作成し、シングル盤でもカラーレコードをプレスしまくったが、この「PLAY」では落ち着いたモノクロ調のジャケットになっている。これらのデザインはもちろんレコード会社の企画によるものであるが、SQUEEZE自身の内面の変化を如実に表しているともいえるのではないか。すなわち、初期のやんちゃな歌詞やアレンジ(もちろんそれも魅力のひとつだ)から徐々に大人の魅力が台頭してきたということ。そんなSQUEEZEのターニングポイントになったアルバムだと個人的には思う




ヤグルマギク:「写真素材 素材三昧」様のサイトより

アメリカプロモCD 1990 2-26644-dj

・凝りに凝ったアメリカ盤プロモーション用CD
・小包のような箱の中にはCDとともに「フラワーポット」と「SEEDSTICK」が同梱されていた
・「SEEDSTICK」とはイギリスの「SOW EASY」という会社が製作したプロモーション用のアイテムで、花の種がついた厚紙のスティックが特徴。環境にやさしい材料で作られており、エコ商品の先駆けともいえる
・この「SEEDSTICK」にはブルーポピー、ヤグルマギク、ヒナギク、サクラソウの種が付属しているらしいが、はっきりと確認できたものはヤグルマギクのみだった
・ヤグルマギクはヨーロッパ原産の青く美しい花である。その美しさは昔から多くの人を引き付け、ツタンカーメン王の副葬品に納められていたり、マリーアントワネットが好んだ花でもあったという。花言葉は「繊細・優雅・教育・独身生活」など。なるほど「PLAY」は「繊細で優雅」な作品だ
・なお、私にはヤグルマソウを育てる自信はないので、フリー画像を提供されているサイトから画像を拝借してある
・CDの曲は通常盤と同一であるがラベルデザインがプロモ仕様になっている。通常盤は真っ白であるが(ドイツ盤は真っ赤)、プロモ盤は羽を広げたクジャクが描かれている。これはまさにインナーに書かれた物語「PLAY」の導入部分「ニワトリやクジャクが鳴き始めました…」のシーンを彷彿させる。このような、作品とタイアップしてあるプロモアイテムは素晴らしいと思う




LPサイズの店頭プロモ用ポップ




◆ミニコラム ちょっと得する(?)カセットアルバムのジャケット

このアルバムカセットのジャケット写真はカセットテープという縦長のメディアという特徴が幸いして(?)、LPやCDのそれと比べると、より広い範囲が写っています。
カセットの写真で見ると、4人が入った大きな鉢がポツンと置かれている状況がよく分かります。
そんなことを再発見できるという意味で、ほんの少しだけ得した気分になれる…かも知れません。


左:LPジャケット 右:カセットジャケット


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