UPON THE ROCKS
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UPON THE ROCKS

イギリス盤 2016 QUIXCD0023

・サブタイトルは「THE DEMO TAPES 1981-1984」とあり、アルバムでいえば「SWEETS FROM A STRANGER」から「DIFFORD & TILBROOK」期までのデモ音源である
・基本的には単なるデモ音源であるので、オリジナルアルバムと同じような聴き方はできない。しかし、当時のグレンとクリスの共同作業の一環を垣間見るようでなかなか興味深い。よく知られているようにSQUEEZEの曲は、まずクリスが詩を書き、それにグレンがメロディを付けていく形で作曲される。そのため、デモであっても歌詞がある程度完成されていることがわかる
・本シリーズ初期のリリースと比較すると、デモ音源集とはいえ、とても聴きやすい曲が多くなったといえる
・I Can't Hold Onのようにアルバムバージョンと全く印象の違う曲もあれば、When the Hangover Strikesのようにほとんど印象の変わらない曲もある。また、Annie Get Your Gunなどはアルバムバージョンとは違った意味で完成されており、個人的にはとても好きなアレンジである
・個人的にこのデモ集の資料的価値を感じたのは「Make The Break」という曲。アレンジや曲調がジャジーな未発表曲である。正確にはDIFFORD & TILBROOK期のデモであるが、この頃はクリスとグレンの心情としてスクイーズに疲れており、「バンドでは出来なかったことをやってみよう」というものだったので、その試みがよく現れている曲といえるだろう
・Black Coffee in Bedに関してはグレンは過去のインタビューで「曲としては好きなんだけど、(アルバムに)収録したバージョンは気に入っているとは言えないんだ」と述べている。なので、私はずっとグレンはアルバムに自分が意図したバーションとは違う形で収録されたことに不満を持っていたのだと思っていたが、実際にデモを聴いてみるとアルバムバーションとさほど大きくアレンジは変わっていない。ということは、グレンは「アルバムのバージョンが気に入らない」というよりも、その後にライブで演奏していくうちに「ライブのアレンジのほうが気に入ってきた」というのが正解ではないかと思う


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