COOL FOR CATS Colour Vinyl
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COOL FOR CATS − カラーレコード −


上:各種カラービニール 下:プロモ用フライヤー


「COOL FOR CATS」のイギリス盤シングルは「ペイルピンク」「ブリリアントピンク」「レッド」「ブラック」の4色でプレスされていることがコレクターの間では知られています。

それぞれのプレス枚数は公式にはペイルピンクが最も多く100000枚、次いでブリリアントピンクが5000枚、レッドが1000枚とされています。

ただ、このタイトルはイギリスで大ヒット(全英チャート2位)となり40万枚以上の売り上げを記録していることから、私個人の感覚ではこのプレス枚数は厳密なものではないと思います。
ペイルピンクは中古市場やオークションでもかなりの枚数を見かけます。

一方、ブリリアントピンクはあまり見かけませんし、レッドに関しては非常に入手困難でSQUEEZEコレクターの憧れのレコードになっています。
そのため、これらの5000枚、1000枚というプレス枚数は妥当かと考えます。

なお、ブラックの枚数は公開されていませんが、比較的入手しやすくなっています(ペイルピンクとブリリアントピンクの中間くらい)。




◆ 3種類の「赤盤」

SQUEEZEのシングル盤は「COOL FOR CATS」以外にもイギリス盤「SLAP & TICKLE」と「PULLING MUSSELS」の2枚でレッド盤がリリースされていますが、この2枚のレッド盤は盤が透けている「クリアーレッド」であるのに対し「COOL FOR CATS」のレッド盤は透けていないレッドが一般的です。
身近なもので例えると、「赤鉛筆」の赤に近いです。

そして、ここからがコレクター泣かせなのですが、この「COOL FOR CATS」には通常の”赤鉛筆”レッド以外にも2種類のレッド盤が存在しているのです。

まず、これは熱心なコレクターの間ではよく知られているのですが、「SLAP & TICKLE」などと同じクリアーレッドがごくわずかな枚数プレスされています。
しかし、盤の厚さは「SLAP & TICKLE」と「PULLING MUSSELS」の2枚のクリアーレッドよりも厚みがあり、透け具合が他の2枚ほどクリアーではありません。

アメリカ盤の1STアルバム「SQUEEZE」もクリアーレッド盤で限定リリースされているのですが、どちらかというとこちらのレッドに近い感じです。

通常のレッド盤(左)とクリアーレッド盤(右):クリアー盤は真っ赤で透けているのが分かる



もう1種類は、通常のレッド盤よりもやや暗みがかかった「ダークレッド」です。
こちらはクリアーではありません。

写真でみると非常に分かりにくいのですが、並べてみると明らかに違う色になっています。
通常のレッドは明るいレッドであるのに対し、こちらは文字通り暗めの赤色です。
こちらの「ダークレッド」盤は私以外のコレクターの方が存在に触れているのを知りません。

通常のレッド盤(左)とダークレッド盤(右):ダークレッドはやや黒みがかっている



このように「COOL FOR CATS」のレッド盤は私の知る限り少なくとも3種類が存在しています。

そして、「クリアーレッド」と「ダークレッド」の2色に関しては、ほとんど見かけることはない激レアアイテムです。

なぜこのようなことになるのか?ということですが、おそらくカラーレコードを作る際の色の配合の関係で出来上がってしまったのだと思いますが、もしかすると当時の制作スタッフが遊び心でバリエーションを増やしたのかもしれません。


レア度をまとめると、

入手簡単 【 ペイルピンク < ブラック < ブリリアントピンク < レッド < クリアーレッド < ダークレッド 】 入手困難

となります。

このように非常にコレクター泣かせな「COOL FOR CATS」シングルなのですが、逆にコレクター魂をおおいに刺激してくれます。




* 追記(2011.12.24) レッド盤のバージョンについて

上記の「クリアーレッド」と「ダークレッド」についてですが、こちらはクリアー度、ダーク度、それぞれの度合いが違う盤が存在することが分かりましたので追記します。
厳密には「バージョン」というほどのものではなく、単なる製作過程における色の配合の問題だと思いますが、違うといえば違うので改めて取り上げてみたいと思います。

まず、クリアーレッドはクリアーの度合いが何種類かあるようです。私の手元には2つのクリアー盤がありますが、下の写真で見ていただければお分かりのように明らかに透明度が違います。
右の盤は左の盤よりもジャケットの絵がよく透けており、透明度が高いことが分かると思います。



次にダークレッドですが、こちらは上記に紹介している通常のレッド盤とダークレッド盤の中間に当たる色が存在することが確認できました。
通常のレッド盤よりもやや黒っぽいかな?という感じで、写真ではほとんど見分けがつかない程度です。
写真は左から順に、通常レッド盤 → 準ダークレッド盤 → ダークレッド盤 となっています。
はっきり言って細かいです。



しかし、コレクターではない普通のSQUEEZEファンからは、「そこまでこだわらなくても…」という声も聞こえてきそうな感じです…。
おそらくジャケットのネコも呆れていることでしょう(笑)
しかし、コレクターとはそんなものだ!と開き直ることにしました(笑)

なお、この各種レッド盤についてはドイツ在住のSQUEEZEコレクターの方から、情報のみならずレコード自体の提供までしていただきました。
感謝いたします。
Marc, thank you for providing me your precious records!




◆ 追記(2012.5.23) 2種類の「ペイルピンク盤」

最近、レーベルの色が違うペイルピンク盤を入手したのですが(ピンクがかってなく、A&Mの文字が茶色い)、その盤の色がもう1枚のペイルピンクよりも明るめであることが分かりました。
微妙な色違いであればわざわざ取り上げませんが、私の判断した限りでは結構違うと思いましたので掲載することにしました。

右の盤は左の盤よりも明るいことが分かる




◆ 3種類のレーベルとマトリクス番号

「COOL FOR CATS」だけではないのですが、シングル盤はリリース時期やプレスされた工場によってレーベル面や盤のマトリクス番号が違っていることがあります。

*マトリクス番号…レコードの原盤に付けられるカタログナンバーのようなもので、レコード盤の内周の無音部分に表記されている

ここではイギリス盤「COOL FOR CATS」のブラックビニール(通常盤)の3種類のレーベルと私が確認できた複数のマトリクス番号をご紹介したいと思います。


・ 左端:最も多くプレスされているタイプのレーベル。下半分がピンク色になっており、「COOL FOR CATS」のみの仕様。
・ 真中:「COOL FOR CATS」ではあまり見かけないタイプのレーベルだが、同時期の他のシングル盤ではよく見られるデザイン。
・ 右端:さらに見かけないタイプのレーベル。最もプレス数の少ないレーベルだと思われる。SQUEEZEでいえば「LABELLED WITH LOVE」のリリース時にこのレーベルに切り替わっており、この時期にリリースされた「COOL FOR CATS」だと思われる。


最後に複数のマトリクス番号をご紹介します。
ただ、私が所持しているイギリス盤という限定された枚数の中からだけのものですから、他にも私が確認できていないマトリクスが存在するかも知れません。ご参考までに。

・ ブラック盤(プロモ)… A面:AMS-7426-A1 B面: AMS-7426-B1 (AB面ともに「TONE」の表記あり)
・ ブリリアントピンク盤… A面:AMS-7426-A1 B面: AMS-7426-B1 (AB面ともに「TONE」の表記あり)
・ ペイルピンク盤… A面:AMS-7426-A1 B面:AMS-7426-B2 (A面のみ「TONE」の表記あり)
・ ブラック盤(上記左端)… A面:AMS-7426-A5 B面:AMS-7426-B3 (A面のみ「TONE」の表記あり)
・ ブラック盤(上記真中)… A面:AMS-7426-A5 B面:AMS-7426-B5 (A面のみ「STRAY RAFT」の表記あり)
・ ブラック盤(上記右端)… A面:AMS-7426-A6 B面:AMS-7426-B2 (A面のみ「STRAY RAFT」の表記あり)
・ レッド盤… A面:AMS-7426-A7 B面:AMS-7426-B7
・ クリアーレッド盤… A面:AMS-7426-A7 B面:AMS-7426-B7
・ ダークレッド盤… A面:AMS-7426-A7 B面:AMS-7426-B7


一応、A面のマトリクス番号の若い順に並べてみたのですが、この順番が必ずしもリリース順(プレス順)ではないように思います。例えば、レッドレーベルのブラック盤はおそらく最後期のプレスだと思いますが、マトリクス順でいえばレッド盤よりも先になってしまいます。
この辺りの事情は、…正直なところよく分かりません(笑)何か情報をお持ちの方がいれば教えてください。



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